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  3. 第3回 ペットは暑さに弱いのです。危険な留守番に注意を!

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.3

犬や猫の安全と危険回避

ペットは暑さに弱いのです。危険な留守番に注意を!

夏の室内環境はペットたちにとって辛い状況

夏の室内は、昼間には40℃を越すことも少なくありません。ペットと室内で暮らす場合、風の動かない閉めきった部屋は、熱射病の原因にもなり、ペットにとってとても過酷な状況となります。

犬や猫たちは成長しても人間の5、6歳の子供と同じです。暑さ対策をしっかりしてから出掛けるようにしましょう。

エアコンを上手に利用して

夏場に室内でペットを留守番させる際は、エアコンの除湿か弱冷房をかけて過ごしやすい温度を保つように心がけてください。「ペットのためにエアコンを付けっぱなしにしておくのはもったいない」という方もおられるでしょうが、暑さのために病気になってお医者さんにかかることを考えると、愛する家族の一員として、それぐらいの配慮はしてあげたいですね。飼い主さんがエアコンをつけずに外出して帰ってきてみるとペットが死んでいたという例は珍しくないのです。

お部屋の冷えすぎにはこんな工夫を

逆に留守番中にエアコンが強すぎて室内が冷えすぎてしまわないか心配な方に、エアコンは一定の温度に設定されますが、それでも心配な時はペットの「逃げ場」を用意しておいてあげるとよいでしょう。犬や猫が潜り込めるようなタオルを敷いたケージ(クレート)や寝床を用意してあげると、寒さを感じた時に自分から入るようになります。

二部屋続きの家の場合は、隣の部屋のエアコンを付けておくのもよいでしょう。

アイスパックを使った暑さ対策

風通しがよくエアコンを付けるほどでもないという場合は、暑さをやわらげるちょっとした工夫をしておきましょう。例えば大きめのアイスパックを2、3枚用意して前の日から冷凍庫にいれておきます。それをタオルで包んでペットの大好きな場所や部屋の中で一番涼しそうな所に置いておくと、ペットは体を伏せて暑さをしのぐようになります。体の小さい犬や猫たちにとってはそれだけで体を十分に冷やすことができます。厚めのアイスパックなら朝から夕方くらいまでもちますからおすすめですよ。

但し、「エチレングリコール」が成分として入っている場合は気をつけなくてはいけません。アイスパックを囓ったりした時に中に含まれているエチレングリコールを口にすると中毒を起こしてしまいます。エチレングリコールは甘い味がするため、アイスパックを囓って、中から出てきたものを喜んで舐めてしまう可能性があります。エチレングリコール中毒は、初期、嘔吐、精神状態低下、神経症状、多飲多尿の症状が出ます。その後、頻脈や呼吸速拍が起こり、最終的には、腎臓がダメージを受け、腎不全になり死に至る恐ろしい中毒です。アイスパックを使用する際は、成分を確認して安全な物を使用して下さい。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)