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  3. 第7回 不妊・去勢手術を受ける時期とアフターケアについて

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.7

犬や猫と暮らすということ

不妊・去勢手術を受ける時期とアフターケアについて

愛する家族の健康と長寿のために

第6回では、不妊・去勢手術が犬や猫たちにもたらす効果についてお話しました。しかし、飼い主さんのなかには、「男の子に生まれたのだから自然のまま去勢しないでおいてあげたい」、「元気な子のお腹をあけるのはかわいそう」という方もまだまだおられます。その気持ちも分かりますが、歳をとって手術が困難になってから生殖器の重い病気にかかってしまってはもう手遅れです。病気は起こってから治療するよりも早期の予防が鉄則なのです。

人がペットの性を考えるときに大切なのは、決して擬人化しないことです。正しい知識を持って、犬や猫の健康と長寿のため、そして大切な家族の一員として迎えるために、早期に安全な不妊・去勢手術をおすすめします。

手術は若いうちに行うのがベスト

不妊・去勢手術は、ワクチンの接種が終わった生後4ヶ月頃から行えます。この時期は、高齢による病気の心配もなく、体脂肪も少ないので手術も安全に行えます。歳をとるにつれて性に関わる病気は確実に多くなり、その頃には他の病気を併発することもあるので、手術のリスクも高くなります。手術は何歳になっても可能ですが、犬も猫も最も効果的な時期は、オスはオスとしての行動や意識が強くなる前。メスは最初の発情の前に行うことで乳ガンの発生率を大幅に抑えることができます。

手術後は運動と食事管理を心がけて

不妊・去勢の手術は健康であれば何才でもできますが、年齢が進んでからの手術ほど、その後に食欲が出て肥満になる傾向があります。肥満はいろいろな病気を引き起こしますから、食欲にまかせて不規則に与えないように注意してください。もし食事の量を減らさないで体重をコントロールする必要のある場合は、ローカロリー食を利用すると良いでしょう。日頃の運動や遊びも大切です。手術後は、飼い主さんへの注目度がより高まるわけですから、コミュニケーションをはかりながら一緒に遊びや運動をしてあげましょう。そうしてあげることで不妊・去勢手術によるほんの少しの心配も充分に補うことができます。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)