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にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.8

犬や猫の安全と危険回避

いよいよ夏本番。室内環境には充分な配慮を

犬は28℃、猫は30℃以下までの室温に

室内で動物と暮らすうえで、家人が外出した後の夏の室温管理はとても重要な問題です。最近の住宅は気密性が高くなっていますから、真夏の室内に犬や猫を残して出かけると、熱中症を発症する確率が非常に高くなります。特に犬は、人間のように体に発汗しませんから体温の調整が難しく、高温に弱い動物です。口を開けて早く息をすることで体温調整をしています。室温が高まり、熱い空気しか吸い込めないとなると、危険なことになります。室温の調整は、犬は28℃、猫は30℃までを目安にしましょう。

暑さに弱い犬種は特に注意

ポメラニアンやシーズー、チャウチャウなど、北方系の下毛がたくさんある犬種はとくに暑さに弱いので注意してください。同様に、パグやボストン・テリアといった顔の短い“短頭種”も体温調整が難しく、暑さは体への負担が大きいので危険です。また、チワワのように神経質な犬は、飼い主さんに置いていかれたことや、密閉されていること自体に、大きなストレスを感じるため注意が必要です。

室内に逃げ場と冷たい水を用意してあげましょう

留守の時は、エアコンの除湿か弱冷房をかけて、室内のドアを開放しておくとよいでしょう。そうすれば、動物はいつでも快適な場所を探すことができます。エアコンをかけっぱなしにすることを心配される飼い主さんもいますが、犬や猫は比較的寒さに強いので特に問題はないでしょう。

また、動物にとって大理石などの石の素材でできた玄関は恰好の避暑場所です。このようにインテリアの素材を変えてみる工夫もいいですね。また、大型のアイスパックを冷凍しておき、外出前にタオルで包んで置いておけば体を伏せて冷やすこともできます。さらに、必ず用意したいのが冷たい飲み水です。容器に氷を入れ、冷凍したパックの上にのせておくとよいでしょう。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)