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  3. 第15回 室内での危険を回避する環境作り~その2~

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.15

犬や猫の安全と危険回避

室内での危険を回避する環境作り~その2~

前回に引き続き、室内飼育の際の危険を回避する環境作りについてお話いたします。

前回、滑る床材には注意が必要とお話ししましたが、フローリングなど滑りやすい床でペットが常に生活することは股関節形成不全のある犬や、高齢などで関節疾患のある犬にとっては危険です。大型犬の場合、床で滑って足が広がってしまうので、普通に歩くことも困難になります。また、小型犬も滑ったためにひざの関節が脱臼したり、骨折することもあります。最近の住宅のでは、フローリングは一般的に高級感があると思われているためによく使われていますが、ペットと暮らす家庭ではあまり望ましいとはいえません。

フローリングの床にはカーペットで滑らない工夫を

滑らない床材というのは汚れやすくて掃除がしにくい可能性があります。そこで、滑りにくく掃除がしやすくするために、フローリングの上にパネルカーペットを敷くことをおすすめします。フローリングの床であっても部分的にカーペットを敷くことで滑る部分を減らすことも出来ます。また、パネルカーペットは犬の歩く廊下の中央に敷いて、汚れたら洗って何回も使うことが出来ます。

室内の起伏やドアにも配慮して

足の弱い犬種は、小型ではパピヨン、チワワ、トイプードル、今人気の小型犬種は全てといえるでしょう。また、ミニチュアダックスフンドをはじめ、シーズー、ペキニーズ、ウェルッシュ・コーギーなど胴の長い軟骨異栄養症のある犬種は、脊椎疾患を起こしやすく注意が必要です。

このような犬種の場合は、滑る床以外に起伏にも注意が必要です。高いベッドや高いソファから滑る床に飛び降りることから起る事故も多く、これもパネルカーペットなどを敷いて滑りを止めることが大切です。

玄関や室内のドアも思ったより危険です。風などで突然ドアが閉まり、犬や猫の尾や足、耳、顔などに当って大きな事故になります。心配なドアには急に閉まらない調節器をつけましょう。ペットが自由に出入りできるペット専用のくくり戸なども良いでしょう。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)