1. 犬家猫館.com
  2. にゃるほど犬猫塾
  3. 第20回 犬や猫のストレスと環境づくり

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.20

犬や猫のストレス回避

犬や猫のストレスと環境づくり

犬や猫と暮らす飼い主さんの多くの方が、「犬」や「猫」が人とは異なる動物であるということをつい忘れがちです。犬には犬にふさわしい、猫には猫にふさわしい環境づくりやケアをしないと、それが動物達にとって大きなストレスになることにもなりますので、今一度、暮らし方について、考えてみましょう。

犬の場合

犬は群れの動物。できるだけ家族と一緒に暮らすのが望ましいので、室内で暮らすことはとても良いことです。その場合、犬が大好きな場所、休める場所(サークル、ベッド、トイレ)を準備してあげましょう。

例えば来客や室内の改修などがあった場合に、犬は安心して入っている場所があればストレスを感じないですみます。日頃から、犬のサークルを準備してあれば、その一隅にクレートやキャリーバックを置き、その中をベッドにして大好きな場所にしてあげます。そこに入ると誰か人が来てもこれに入っていればかまわれなくてすむ、眠いときはずっとここに入っていよう、飼い主と一緒に出かけられるという風にして安心して過ごせる場所をつくってあげることがとても大切です。その場所は、ドアがバターンと閉まったり、人の出入りの多くない場所を選んであげたいものです。

犬のトイレについては最近、集合住宅など庭のない家が多いので犬の排泄場所がありません。理想的にはマンション内に洗濯機置き場と同じスペースがもう一つあれば、そこをトイレスペースにして、小さい時から習慣づければ最良です。トイレの場所も、物が落ちてきたり大きな音がするなど、不安を感じる場所でのしつけは失敗のもとです。寝るところや排泄するところは、安心できる場所を確保してあげてください。

猫の場合

猫のしつけで一番大切なのはトイレです。猫はトイレの場所(位置)を覚え大切にしますから、同じ家にいる限り、トイレの場所を変えないようにする必要があります。また、猫のトイレのしつけで大切なのは、1頭の猫に2つのトイレを作ってあげることです(並べて置いても良い)。その理由は、猫は汚れたトイレを嫌うので、家の人が留守の場合など、他の場所を探して失敗をしてしまうからです。1頭に2つというのは猫の習性を上手に活用したしつけです。猫のトイレも必ず安心な場所においてください。1回でもトイレの中に物が落ちてきたりすると、そこを使わなくなってしまいます。

猫のベッドについてですが、成猫になると、家中で一番見晴らしが良くて、安全で、心地よいところを自分で選びますので、猫に任せてよいでしょう。「できればここにいてほしい」と思う場所に、猫の好みそうなベッドなどを置いて、そこを居場所にするように誘いましょう。猫はその性格や年齢等で様々な行動を取りますので、人の方がその願いに出来るだけ歩み寄ってあげることが大切です。

また、猫は一般的に犬のように散歩に外出しないので、運動不足を補うために高いところに飛び乗ったり、飛び越えることの出来るバーなどを準備したり、ひもを付けたボールなどで遊んだりしてストレス解消にも役立てて下さい。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)