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  3. 第26回 犬と猫のアレルギーについて

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.26

犬や猫の健康管理

犬と猫のアレルギーについて

犬や猫にも多いアレルギー

近年、人と同様に家族として暮らす犬猫にも様々なアレルギーがみられます。

アレルギーの発症しやすい素因を受け継いでいる個体もありますが、直接的な原因がはっきり分からない場合も多く、アレルギーを発症させる原因が何であるのか確定することが困難なケースもあります。それは原因が一つだけでなく、複数の物に反応する場合もあるからです。

私たちの生活の中で、アレルギーの原因(アレルゲン)となるものは無数にあります。

その中のある物質に反応して症状が出た例を○○アレルギーと表現しています。

犬や猫の食物アレルギー

アレルギーの原因になるのは主に蛋白質(牛、とり、卵、乳製品、大豆等)ですが、どのような蛋白質でもアレルゲンになる可能性があります。このような理由から、食物アレルギーは一般の家庭生活の中で発症し、多くの場合家族が気付きます。例えばある食物に反応すると、直後又はおよそ30分から数時間位の間に目や口のまわりが腫れたり、嘔吐や下痢が起こったり、ハアハアと呼吸が荒くなったり、全身に蕁麻疹が広がったりします。さらに痒みのため、床で顔を擦ったり、前足で目を掻いたり、体が赤くなって腫れているのに気付きます。そのまま進行する場合は嘔吐や下痢が進行し、更に呼吸困難などを起こして、アナフィラキシーと呼ばれる命を失う緊急事態になることもあります。

多くの場合、いつもと違うものを食べさせたとか、フードを取り変えてから下痢が続くときなどは、アレルゲンとなっている成分のない食事を選び直す必要があります。また、食物アレルギーの反応として、耳の入り口の辺りが常に発赤し、痒がるケースを慢性の外耳炎として治療してしまう場合もあるので、正しい診断を受ける必要があります。また、顔の痒みのために目を擦ることから、眼に傷をつけることもあるので、早めにエリザベスカラー等をつけることが必要で、出来るだけ早く動物病院で治療を受けましょう。

このような特別な食物に反応するアレルギーの動物は、ワクチンや薬物、生活上に触れる物品にも反応することがあるので、家族は勿論のこと主治医にも十分に理解を得ておくことが大切です。

最近は殆どの病気に対応して治療を支える療法食を動物病院で求めることが出来ます。食物アレルギーを疑うケースにテスト的に使うフードや、アレルゲンが診断されている場合はその食品を除いたフードや、その蛋白質を食事として食べても体内でアレルゲンとならないように特別な処理をされたフードもあります。各々のケースに合った療法食を動物病院で診断処方の上、活用されることが大切です。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)