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にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.30

犬や猫のお手入れ

ブラッシング、シャンプーなどの手入れを楽しくするために

人と動物が共に快適に暮らすために大切なことの一つは手入れです。臭いや抜け毛などを軽減させるためにも、ブラッシングや適度のシャンプーは大切です、一般的にシャンプーを嫌う犬は多いものです。無理に行うのではなく、気持ちよく手入れを出来るようにするのにはどうすればよいのでしょう。

手入れのコツ<小さい頃から習慣にする>

子犬や子猫の頃から習慣にしてしまうことが重要です。幼い頃から、抱きながら体全体をマッサージするように、全身を触ります。触られることが大好きに育てます。家族に体を触られることが大好きにしてあれば、クシや軟らかいブラシをかけることも心地良いことになります。

また「毎日寝る前にブラッシングをする」、「散歩から帰ってきたらブラッシングをする」と決めておくのもよい方法です。習慣にして、それが楽しければ犬や猫のほうから「ブラッシングして」と擦り寄ってくるようにもなり、家族も嬉しい時間になります。日頃放置して、毛の絡んでいるところを突然にブラシをかけたりすれば、痛くて益々嫌いになってしまいます。

手入れのコツ<楽しいふれあいタイムにしましょう>

また、手入れを飼い主が面倒と思わず、楽しんで行うことも大切です。

ブラッシングやコーミングを飼い主と犬や猫との優しく触れ合う時間、コミュニケーションの時間、楽しいしつけの時間にしましょう。このような飼い主の気持ちは動物たちへ伝わりますので、手入れが楽しく出来るように褒めながら少しずつ進めます。飼い主が良いことをしてあげるタイムにします。手入れを嫌って逃げているのを無理やり捕まえてブラッシングしたりすると、ますます嫌いになってしまいますので、飼い主が「ブラッシングをどのように認識するか」ということはとても大切です。

手入れのコツ<安心感を得られる工夫をする>

多くの犬や猫はシャンプーを嫌います。自然界に生活していれば、必要のないことでも、人と共に室内で暮らす上で大切なことは沢山あります。外出をしない猫で短毛種であれば、シャンプーは殆ど生涯不要です。犬や猫は人と異なり全身には汗をかかないので、普通の生活をしていればあまり汚れません。何かで汚れた時は湿ったタオルでしっかり拭き込んであげましょう。勿論、長毛種でシャンプーを願う場合は、小さい時から少しずつ教えます。

シャンプーの時は、少しずつ水に慣れさせ、安心感を与えることが大切です。犬も幼い時から少しずつ体の後方から濡らし、水に慣れさせます。足元から少しずつ濡らし、何回かに分けて全身が洗えるようにします。始めからシャワーを頭にかけたりすると、怖がって益々嫌いになってしまいます。また、特に足元の安定感はシャンプーの際にとても大切ですので、すべったり、不安定にならないよう注意しましょう。プラスチックやタイルなど滑りやすい素材は避け、安心感を得られるように、体をしっかりと支えてあげましょう。

脱毛・抜け毛について。

犬は犬種によって毛の抜け方が異なりますので、その犬にあわせて適切なケアーが必要です。

<犬種による手入れの違い>

犬は原産地によって被毛の生え方や量が異なります。寒い国の犬は、アンダーコートと呼ばれる防寒用の毛が生えています。春が来るとその毛が一気に抜け始めますから、3月下旬から6月一杯位まで毎日しっかりブラッシングをしましょう。抜け毛が残っていると不潔になり、皮膚炎やノミやダニなどの寄生場所になります。

<一年中毛がのびている犬種>

プードルやビションフリーゼなどは、季節的な脱毛もまた日頃の脱毛もほとんどありません。この種の犬は一年中少しずつ毛が伸び続けますので、定期的なカットが必要になります。 また、脱毛は家族としての室内生活だけでなく、外出先でも周囲に迷惑を掛けることのないよう日頃のケアをしっかりしたいものです。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)