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  3. 第32回 災害時の備えについて(心構えと準備)

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.32

犬や猫の安全と危険回避

災害時の備えについて(心構えと準備)

近ごろ世界各地で大きな災害が発生し,様々な危険が突然身を襲うことがあります。

このような災害時のために、私たち人だけでなく、家族としての動物たちについても地元の獣医師会や行政が動物愛護協議会などと協力して、県や市単位でペットにも配慮した対応を取り始めました。何箇所かの行政では、既に同行避難の対応を進めているところもあります。同行避難とは、災害時に人々が避難する時に動物たちも共に避難所に行くことです。そのために例えば同行避難のトレーニングとしてクレートトレーニングや、躾を始めたり、各家庭では人と同様の緊急備品などの準備をしておくように呼びかけたりしています。

犬や猫と共に避難できる災害対策

このような動きは、「人の避難だけではない」という考え方で、犬や猫が社会の一員として取り入れられ始めた証と考えられます。また犬や猫を家族の一人として迎え入れている人が多い現状で、共に避難できるような災害対策を前向きに進めることはとても大切です。民間との協力で行政が、犬や猫用の非常袋を検討しモデルを作り、中にはフード、水、ビニール袋、緊急手当て用品、迷子札、ペット用シーツなどを入れています、こういった非常袋は一般の家庭でも常に準備が必要です。

クレートトレーニングの重要性

また避難時に備えて、日頃から『クレートトレーニング』を行っておくことが大切です。

『クレートトレーニング』とは、犬や猫がキャリーボックスなどの狭い場所におとなしく入っていられるようにすることです。これが同行避難時における最優先の事項となります。これを済ませておけばキャリーボックスに入れた状態でどこへでも一緒に避難することが可能になります。キャリーボックスに入って静かにしていれば、例えば避難場所の隅に一緒にいることも不可能ではないでしょう。

ところがこのトレーニングが出来ていないと、避難場所でキャリーボックスの中から吠え続けたり、粗相をしたりして周囲の人々に迷惑をかけ同行避難どころではなくなります。これは旅行や普通の移動時にも活用出来ます。クレートトレーニングは集合住宅で共に暮らすためにも良いしつけです。大型犬の場合でも組み立て式のケージなどを利用すれば、小型犬や猫と同様にクレートトレーニングをすることが出来ます。更に日頃から誰に対しても優しい犬や猫であるようにしつけをしておくことも大切です。

これらのしつけは、同行避難だけでなく日頃家の人が旅行などで留守をするときに預かってもらったり、病気で入院したりする時にも有効です。キャリーボックスを「安全な場所」「大好きな場所」と認識するようにしつけておくことで、移動後でも犬や猫が落ち着いて過ごすことができ、周囲に迷惑をかけないので、飼い主としてもとても安心です。

是非トイレトレーニングも

最近は、犬や猫と室内で暮らす方が多くなりました。当然、便や尿などの排泄も室内のペットシーツで出来るようにします。このしつけも同行避難の時、とても役に立ちます。

都市部では日頃も外での排泄は環境的にも許されません。室内で排泄を済ませて散歩に行くしつけはマナーとしても必須です。

いざという時のために

クレートトレーニング、ペットシーツでの排泄、他の人々にも優しい家族に育てることを今からでも初めて下さい。そして非常袋の準備をしておきましょう。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)