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にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.38

犬や猫の健康管理

暑くなる時期の健康管理について

朝晩の気温差が激しい春、夜は肌寒くても日中は気温が上昇して驚くほど暑い日があります。春から夏にかけては気温も湿度もどんどん高くなりますので、犬や猫の体調管理には十分気をつけなければなりません。

猫は比較的暑さに強く、昨年の猛暑でも、風さえ通っていれば何とかしのいでいましたが、犬は同じような環境下で熱中症にかかる可能性が非常に多くなります。犬は発汗による体温調節ができないので、口をあけてハアハアと呼吸をすることでしか体温の放散ができないため、暑さにはとても弱いのです。そのため暑さ対策は、主に犬に必要です。

気密性の高い住宅は要注意!

熱中症は、蒸し暑い室内での留守番や車の中などに閉じ込められることでよく多発します。特に気密性の高い最近の住宅では、日中気温が上昇するのに伴って室内の温度は予想以上に高くなるため、飼い主が留守にする場合は、エアコンの「除湿」か、冷房を「弱」にして出かけるように心がけてください。都会のマンションで犬や猫と暮らすということは、夏場はエアコンをつけたままにしておける準備が必要です。

熱中症対策は万全に!

熱中症は命に関わる危険な病気です。短時間で起こるため、対処が遅れると手遅れになり、助けることが困難です。幼若、老齢、また他に病気を持っている犬や、短頭種と呼ばれるブルドッグやパグ、シーズーのように、気道が狭い犬種、また毛の深い犬種は特に注意が必要です。

冷房の準備が出来ない場合には、多量の大型保冷剤(アイスパック)を前もって凍らせておき、留守にする直前にいくつかの保冷剤をタオルなどに包んで、犬の好む場所に置いて、いつでも犬が体を冷やすことの出来るようにしておきます。犬は暑くなると冷たい場所を探すため、そういった暑さをしのげる場所を作っておいてあげましょう。

また、庭で犬を飼っていたり、外に犬小屋があって繋いでいる場合は直射日光にも注意しましょう。出かける前は日陰でも、日中直射日光が当たって日射病になってしまうケースも多発します。陽のまわり具合と風通しに気を配り、十分な日陰の出来る準備をして下さい。

消化器障害にも用心を

気温の上昇に伴って気をつけたいのが食中毒等の消化器障害です。気温が上昇する時期に、日中長時間、家族が不在になる場合、缶詰食は置かないようにしましょう。気温の上昇で、食物も変質するので、一度に食べ切らない場合はドライフードを置くようにする方が安全です。

缶詰食が必要な場合は、その場で食べきれるだけの量を用意し、不足分の食事は夜間にあげるようにしましょう。

食事と同じように、屋外飼育の犬の水にも注意が必要です。多量の水の入る大型の容器で、確実に日陰に置けるよう気を配って下さい。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)