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にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.39

犬や猫と暮らすということ

子犬・子猫の迎え方

犬や猫は人にとって大切なパートナー。かけがえのない家族として迎え入れ、幸せに暮らしていくためには、事前の心構えと準備が大切です。

子犬の迎え方

子犬を迎えるにあたって、前もって準備する必要のあるものと、子犬が来てからの方がサイズなどを合わせやすいものがあります。

【家族を迎える前の準備】

  • ・ 家の中や外の環境はどうか
    →迎える犬の大小に合ったスペースが確保出来ること
  • ・ 将来ずっと面倒が見続けられるでしょうか
    →およそ15年を考えておく
  • ・ 家の広さや間取りはどうか
    →どの部屋に犬用サークルやトイレ等を置けるのでしょうか
  • ・ 誰が世話をすることが出来るのか
  • ・ 共に暮らす時間、経済状況、家族構成はどうでしょう

犬との生活を楽しむためには、このようなことを十分に考えておく必要があります。

また、犬は小型から大型、性格もさまざまな種類がいます。各々の家庭に合った犬種を選んで暮らすことが大切です。飼いたい犬種が決まったらその犬の特長を調べましょう。

更にペットショップやブリーダーさん、また近くの動物病院等に相談してみるのも知識を得る良い方法です。また同じ犬種と暮らしている方を訪ねて成犬になった姿や動きを見せてもらいましょう。

子犬を迎える準備

いよいよ子犬を迎えることが決まったら、最小限の準備を整えておくようにしましょう。

【事前に必ず必要なもの】

  • 1. サークル
  • 2. ペットシーツ
  • 3. 食器
  • 4. ペットフード(できれば家に来るまで食べていたものと同じものを用意する)
  • 5. グルーミングの為のくしやブラシ
  • 6. キャリーバッグまたはクレート(犬のサイズで決める)
  • 7. 今まで好んでいたおもちゃ等をもらい受ける
  • 8. 今までに接種したワクチンの証明書や健康診断書

等です。

子犬の場合は、首輪やリードはサイズが変わるので、しばらくしてから求めた方が良く、キャリーバッグやクレートは動物病院に連れていくのにも必要です。 さらに事前の準備としてとても大切なのがしつけのための予備知識です。早めにしつけの本やビデオなどで学習しておくことがとても役に立ちます。子犬は2ヵ月頃まで親や兄弟と生活していることが大切ですが、そのあと新しい家に迎えられてからの2ヵ月間は更に大切な社会化(ものごとに慣れる学習)の時期です。子犬は離乳の始まる生後30日からしつけ(学習)が始まっているので、新しい家に着いたその時からもとても重要です。

家に迎えたら、ベッドとペットシーツを敷き込んだサークルに入れるようにします。部屋を自由に歩かせてはいけません。サークルの中で排泄をして、静かに過ごす時間を持つことが大切です。出たがっても最初は無視しましょう。サークルで眠ったり排泄するまで見守り、サークルの中できちんと排泄できた時は落ち着いて心を込めて褒めてから外に出してください。初めにサークルに入れないでカーペットなどに排泄すると、犬はそれで良いと思ってしまい、どこでも排泄をするようになってしまいます。最初に排泄させた場所が生涯ずっとトイレとして使えるように、サークルを置く場所については事前にきちんと考えておきましょう。

また、家族が外出するときは必ずサークルに入れておくようにしましょう。これがしつけの一歩になります。

子猫の迎え方

多くは犬と共通しますが、迎える前に決めたトイレに最初に入れます。しばらくはその部屋から出られないように、部屋の入口はあらかじめフェンスなどでふさいでおきます。子猫の場合もこれまで使っていた砂をもらってくるのもよいでしょう。多くの場合、猫は短時間で覚え、失敗は少ないものです。

猫はトイレの場所を移動すると排泄場所が分からなくなってしまうことが多いので、途中で場所を変えずに済む所にトイレを用意しましょう。猫のトイレについては、

  • 1. 静かで落ち着いて排泄が出来る場所を選びます。近くにドアがあって開け閉めに音がしたり、人がしきりと通ったり、棚の上から物が落ちたりしない場所にします。
  • 2. 清潔好きな猫には、トイレの汚れは、トイレを使わなくなって失敗をする原因となります。最初からトイレは一頭につき2つ用意しておくようにしましょう。

また、子猫の身体の大きさに合わせたトイレを用意します。はじめから成猫用のトイレを用意してしまうと子猫には深すぎて使えないために粗相してしまうことにもなります。台所のプラスチックの洗い桶なども砂を入れて活用できます。

食事は犬と同じように今まで食べていたものを用意するようにします。猫の場合はドライフードもウェットフードもどちらでも食べられるように、子猫の頃から慣らしておくようにします。老猫になった時に歯が弱ったり病気になってからウェットフードが食べられないと困りますし、暑い日などは悪くなりがちなウェットフードよりドライフードの方が適していることも考えておきます。

外出するときは一部屋区切った場所(トイレがある部屋)に入れておくようにします。触って欲しくないものは、猫の手が届く場所に置かないように注意しましょう。猫は犬のようにしつけるのは難しいことが多く、危険であったり、触れられたくない場合は、その場所に近づけないようにしておくことが大切です。

子犬・子猫共通の注意として部屋は必ず整理整頓しておくことです。犬も猫も食べてはならない物、危険な物などの区別が出来なくて、家人が留守の間におもちゃにしていて食べてしまうこと(異物の摂取)が大変な事故になることも多いものです。犬も猫もその生涯が人の5才児位の子どもと暮らすような心配りが必要です。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)