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にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.46

犬や猫の健康管理

長寿の秘訣

縁あって家族の一員となった犬や猫には、健康で長生きしてほしいと誰でも願います。最近では獣医療や食事の研究も進み、犬や猫の寿命も延びています。いつまでも健康で楽しい生活を続けられることが、飼い主にとっても犬や猫にとっても幸せなことです。寿命はそれぞれの個体が遺伝的に受け継いでいますが、その他に環境(生活環境)の因子、食生活の因子、歯磨き・ワクチンなど基本的なケアがきちんとなされたストレスの無い生活も大切です。

健康で長生きするためのポイント

犬や猫が健康で長生きするためには、まずこの6つの項目をクリアすることが必須になります。

  • 1. 「不妊・去勢」
  • 2. 「ワクチン接種」
  • 3. 「歯磨き」
  • 4. 「栄養管理」
  • 5. 「しつけ」
  • 6. 「マイクロチップ」

この6項目は、犬や猫が子どものころからきちんとしておくようにしましょう。各々に必要な時期に行い、毎日の生活に組み込んで習慣にすることは、飼い主さんの責任です。歯みがきやしつけは上手に褒めながら行って、楽しく出来るようにしましょう、このようなケアを習慣にしておかなかったことによるマイナス面は意外に多いものです。

例えば、「ワクチン接種」をしなければ感染症になる可能性が高くなります。「不妊・去勢」をしておくことで生殖器関連の病気を防ぐことができますし、発情期に感じるストレスが少なくなります。「栄養管理」は肥満の防止や病気の予防につながり、「しつけ」が正しくしていなかったことから、突然飛び出して事故に巻き込まれたりします。また「歯磨き」をしていないと歯周病につながります。歯周病は様々な病気の原因にもなります。「マイクロチップ」は、災害などで離ればなれになってしまった時や万が一迷子になってしまった時のための対策として有効です。

肥満は犬や猫にとっても大敵

人間同様に、犬や猫が健康で長生きするためには肥満も大敵です。もしも太ってきてしまった時はローカロリー食で対応するようにしましょう。最近は生活環境の変化により、室内で暮らす犬が増えています。同じ室内で飼い主食事をする際、近くに犬がいる、というのが当たり前になりました。食生活が近付くことで、食事以外の食べ物をつい与えてしまう状況が増えますが、初めから与えなければ味も覚えないので、家族が話し合って与えないようにしましょう。

ストレスを上手に解消

ストレスはガンなどの腫瘍性疾患の原因になるともいわれています。ですが、「ストレスの解消=運動」とすぐに考えてしまうのは危険です。活動的な犬や猫は運動する事がストレス解消につながりますが、あまり活動的でない種類なら逆にストレスの元になってしまうこともありますので、気をつけましょう。何より簡単なストレス解消は、飼い主が軽く接し、常に楽しい雰囲気を保ってあげることです。

定期的に健康チェックをしましょう

平均寿命を比較すると、犬よりも猫の方が長寿です。

ちなみに超大型犬は5歳で初老を迎えます。大型犬は6歳、小型・中型犬と猫は7歳で初老を迎えます。初老は人間でいうと40代。そろそろ体調に変化が出る頃ですから、気を配ってあげましょう。

飼い主ができる対策とは別に、犬種によっては遺伝的に病気になりやすいケースもあります。共に暮らす犬種について知識を持って対応しておきましょう。例えばフレンチブルやパグ種のような短頭種は体型的に呼吸器の病気になりやすく、キャバリア・キングチャールズ・スパニエルは遺伝的に心臓疾患を発症しやすい犬種です。

犬や猫は初老になりましたら、年に一回の検診を、10歳以上であれば半年に一回の総合検診を受けるようにしましょう。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)