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犬や猫たちの暮らしやしつけ、
健康などについてご紹介します。no.48
犬や猫と暮らすということ
2003年に成立した「身体障害者補助犬法」に基づき認定された「補助犬」は、法律で定められた障害がある人の自立・社会参加を助ける為に働く犬の事です。今回はそんな「補助犬」についてご紹介します。
これら3つの仕事を担う犬を補助犬と呼びます。
この中で最初に活用されたのは「盲導犬」で、その後「介助犬」「聴導犬」の順序で成立してきました。法律で定められている補助犬の育成団体は全国に34ヶ所あり、各育成団体の養成した犬は、各分野の試験官により定められた、厳しい国家試験項目をクリアして初めて資格を得ることが出来ます。
補助犬法では「不特定多数の者が利用する施設」でも「やむを得ない理由」がない限り、補助犬を拒否してはならないと規定されています。しかし、日本では今まで補助犬に対して誤解があったり、その受け入れについても不安や戸惑いがあったことも事実です。また、動物福祉という視点から懸念を抱く人もいました。これを理解と協力に、そして受け入れをスムーズに進めるための法律が補助犬法です。
補助犬は法律に守られ、補助対象の人が生活上必要である施設に同行する事が認められています。「身体障害者補助犬法」では、補助犬が一緒に施設に入る事を断ってはいけないと決まっています。たとえば、食品売り場に視覚障害の方が「盲導犬」を伴って入った際、お店の方に「ここは犬をつれこむのは禁止です」と言われても、障害者手帳を提示して、「盲導犬」と共に行動する事が国によって認められていることを伝えることができます。
最近では補助犬の認知度も高まり、かなり多くの場所に同伴出来るようになっています。例外として医療施設の一部、手術室など無菌を保つ衛生管理が必要なところは入る事はできません。医療施設でも透析室などほとんど多くの場所に補助犬が入ることも可能となり、身体障害者の方がベッドで点滴を受ける際、補助犬は、ベッドの下で待つことができるよう、さまざまな状況を想定して訓練されています。
こうして法律で守られているからこそ、補助犬法に定めた厳しい試験に合格しなければならないのです。
盲導犬は、その仕事内容からも屋外でも目に障害のある人を誘導するので、その目的にふさわしいラブラドール犬が多く働いています。介助犬は最近、障害を持つ人の障害の内容に合わせて訓練をするので、中型、小型犬で適応出来ます。また、聴導犬は室内外で音を障害のある飼い主に知らせる役割なので、犬種はそれほど選びませんが、どの補助犬も幼犬の時から、その役割にふさわしい適性の有無をチェックして選ばれ、育成団体で育成プログラムを進め、途中で不適性として外す場合もあります。また、全て補助犬法に基づくトレーニングをクリアした犬でも新しい飼い主(障害者)とのマッチングが大切で、更に生活環境等も厳しくチェックされ、障害者も補助犬を正しく幸せにケア出来るか審査を受けます。
現在、厚生省に登録されている盲導犬は約1000頭、介助犬は70頭、聴導犬は50頭ほどです。補助犬が障害者を補助して外出中に、散歩のいぬと間違えて通行人が触ってしまったり、同伴して入ることを拒まれない為に、補助犬は一目で分かるようにベストやハーネスを着用しています。補助犬を見た時は、仕事の邪魔にならないように見守り、声を掛けたり、物を与えたりしないで下さい。もし、飼い主(障害者)から手伝いを願われた時は、声を掛けて手伝って下さい。
profile
柴内裕子先生(獣医師)
赤坂動物病院 名誉院長
日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。
(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)