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にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.54

犬や猫の健康管理

最初に動物病院に行くタイミングは?

動物病院と聞くと、多くの方が「予防接種のとき」「病気やケガをしたとき」に利用するところだと思っています。しかし、実はそれだけでなく、動物病院では獣医師にさまざまな相談ができるのです。

まず動物と一緒に暮らす前に最寄りの動物病院へ行きましょう

犬や猫と暮らしてから動物病院で診察を受ける人がほどんどですが、一番大切なのは「一緒に暮らす前」に動物病院へ行って色々と相談してみることです。自分の家庭環境に合っている動物はどんな動物なのか。種類は?サイズは?経済的な負担は?犬なら散歩時間や運動量は?と、あらかじめ動物病院で相談しておくことで、知らないで迎えてしまい、後で困った状況に陥るのを防ぐことができます。

相談に行くときは、相談の予約をした時に獣医師が親身になって対応してもらえるかどうか、気持ち良く受けてもらえたら、その病院こそ生涯の「主治医」になってもらえるでしょう。一緒に暮らす前に動物病院へ行くことの利点は「先に良い病院を見つけておける」ということでもあります。

動物病院は混み合う時期・時間帯もあります。最初に訪問する際には、必ず予約を取ってから行くようにしましょう。「もうすぐ動物と暮らそうと思っているのですが、相談に乗っていただくことは可能でしょうか」と聞いてみてください。具体的に犬種などが決まっていても沢山の情報が必要です。「どうぞ」と気持ち良く迎えてくれる動物病院を探しておくと安心です。一緒に暮らした後での問題点を少しでも少なくすることが出来ます。

家に動物を迎えたらすぐに動物病院へ

いよいよ家に動物をむかえたら、前もって相談をしておいた病院と連絡をとって、新しい家族の全身を診てもらい様々な相談をしましょう。

私の病院では、初診時に飼い主さんと話し合う項目をあらかじめ設けています。

「ワクチネーションプログラム(生涯にわたって接種が必要な全てのワクチンの予定)」「しつけ(犬を迎えたその日、今が一番大切であること)」「マイクロチップ(皮下注射1本で)」「家庭でできる予防の知識」「去勢・不妊(手術の必要性と時期について)」「年令に合わせたフードの選び方や給与量管理」などです。

●ワクチン
狂犬病予防と混合ワクチンが必要ですが、摂取時期などの相談をします。
●しつけ
二ヶ月で犬や猫をむかえたら、その日からしつけが必要になります。トイレの場所や、トイレのためにゲージから出してあげるタイミングなど、すぐにトレーニングしないといけないことはたくさんあります。犬は4ヶ月で人間の10歳に達してしまいます。
●マイクロチップ
現在、世界中で推奨されています。言葉が話せない動物たちにとって、マイクロチップは迷子札の役目を果たします。マイクロチップがあれば個体識別ができますので、災害が増加している昨今は必須であるといえるでしょう。
●予防知識
フィラリアやノミ・ダニに関して、家庭できる予防をお伝えしています。
●去勢・不妊
去勢・不妊手術の重要性について、飼い主さんにご説明します。
●食事管理
年令や体重に合わせたフードの種類や量についてご説明します。

初診時にお話しすることはたくさんあります。飼い主さんと獣医師とで情報を交換し、理解を深めることが大切です。獣医師にとっても、飼い主さんに正しい知識を持ってもらうことで、事故や悲しい事態を防ぐことが出来ます。初診時の相談は大変重要です。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)