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  3. 第61回 感染症について

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.61

犬や猫の健康管理

感染症について

犬にも猫にも命を脅かす感染症があります。

その中で一部の感染症は、ワクチンの接種や投薬で予防することが出来ます。

犬や猫も風邪をひくのでしょうか?

犬や猫は体温を調節する働きが優れているので、人のようにお風呂から出て体を冷やしたために、くしゃみや鼻水が出るような風邪はひきませんが、犬や猫にも人間の風邪のような症状を示す感染症はあります。しかし、人間の風邪やインフルエンザが犬や猫に感染することもありませんし、また犬や猫から人間に風邪が感染することもありません。

人と動物の共通感染症

犬や猫から風邪が感染することはありませんが、感染症の中には、犬や猫から人に感染する危険な病気もあります。現在日本では犬・猫の発症は50年以上ありませんが、狂犬病は全ての温血動物に感染し発症すると死に至る恐ろしい病気です。犬は、法律で1年に1回のワクチン接種が義務付けられています。

その他にも猫ひっかき病、トキソプラズマ症などがありますが、日頃から定期検診を受けて清潔を保ち、自由外出をさせていない犬や猫は、人にとって危険は殆どありません。

犬や猫は家族です。人と同じ様に正しい予防や衛生に気を配れば、人の心や体にとても良い影響を与えることが沢山報告されています。是非家族として幸せに暮らして下さい。

命を守るワクチン接種

犬はジステンパーやパルボなどのように命を脅かす感染症(9種類)をワクチン接種によって予防することが出来ます。また、心臓に寄生するフィラリア症も投薬で予防することが出来ます。

猫も汎白血球減少症、猫ウィルス性鼻気管炎、猫カリシウィルス感染症をワクチンで予防出来ます。他に猫白血病ウィルス感染症のワクチンもありますが、接種した部位に腫瘤が出来ることがありますので主治医と相談して下さい。また、ワクチンで予防出来ない感染症に猫伝染性腹膜炎、猫免疫不全ウィルス感染症があります。これらの感染症は母猫から子猫に感染することや、迎え入れる前の環境で感染していることもあります。猫を迎え入れた時に、検査をして確認し感染していなければ、完全に室内飼いを徹底して、同居に感染した猫がいなければ予防することが出来ます。

何れのワクチンも免疫を確立出来るワクチンプログラムがありますので、獣医師に相談して大切な家族である犬や猫の命を守ってあげましょう。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)