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  3. 第62回 犬は家族

にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.62

犬や猫と暮らすということ

犬は家族

犬の衣・食への気配りも変化

最近は犬を大切な家族として家の中で共に過ごす家庭もごく自然になってきました。大好きな犬や猫と過ごすだけで癒されたり、話しかけることでまるで人といるように感じる方も多いようです。

このような理由からも家族としての犬の衣・食に気を配る方も多く、犬に服を着せることも珍しくなくなりました。20年以前には「犬に洋服を着せる?」と驚かれていたものですが、今では文化になりつつあります。ファッションと考える方だけでなく、老犬や寒さに弱い犬種で洋服が必要だと思われる場合もあるでしょう。服を着せることも家族としての愛情表現であり、楽しみの一つにもなっていますが、型や材質には気を配りましょう。フリルが多くひっかかったり、かじって食べてしまっての事故にならない配慮と、動きを制する程のタイトなものには気を配って下さい。

また最近は外出用のペットカートも改良されて、大きなものでもワンタッチで一瞬に折り畳め、一枚板のようになるものがあります。このようなカートは犬の入る部分だけを外してたためば電車への持ち込みも可能となりますが、カートで混んだ道や狭い通路を通る時は声をかけ、周囲に迷惑をかけないよう気を配りましょう。可能であれば、犬用のカートはワゴンの位置を低めにして、前を開けるとワンちゃんがパッと飛び乗ってこられるようなタイプを開発していくと良いと思います。犬の入る部分を下げてその上に軽いバックなど置けるようにして、さりげなく歩けるものが出来ると良いですね。

犬アレルギーへの配慮

犬アレルギーの心配をされる方がおられますが、犬だけが原因でアレルギーを発症することは少なく、犬や猫の汚れた被毛やフケ、ノミやダニなどの糞、そして犬の尿や唾液に反応する人がいますので、入浴やブラッシング、歯や耳、肛門などの手入れを怠らないことが大切です。公共の交通機関での移動の際は、特に清潔にしておくなど、十分な配慮をしましょう。

人間社会での動物との関係

飼い主さんにとってペットは家族と同じでも、周囲には、動物嫌いな人もいます。自分にとって大切な家族として、しっかりケアをしていても、人間とは違うということをわきまえて行動をすることが理解者を多くして共に暮らしやすい社会造りになると思います。

家族としての動物との生活はブームに惑わされるのではなく、自分の好みと生活、年齢に合わせて選びましょう。

犬や猫はもう自然には帰れません。人と永遠に暮らしていく家族となりました。私たちは共に暮らすことで健康や教育、福祉に役立ってくれています。もっと多くの人々が共に幸せに暮らせるよう、共に暮らしている私たちの日々の努力もとても大切です。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)