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にゃるほど犬猫塾

犬や猫たちの暮らしやしつけ、健康などについてご紹介します。

no.68

犬や猫のお手入れ

犬と猫のワクチンプログラムについて

犬や猫のワクチンについて

大切な家族、犬や猫の健康を守るワクチンについて、最新の獣医学に基づいたプログラムについてお話しましょう。

犬のワクチン

*混合ワクチン

混合ワクチンには、1種類の病気を予防するものから、数種類を予防するワクチンまであります。どれを選ぶかは、犬の年齢や生活環境、そしてこれから移動する地域で感染する可能性のある病気の予防が可能なのかなどを考慮してワクチンを選びます。

基本的に、以前は毎年1回混合ワクチンを接種していましたが,子犬の頃と6ヶ月後にしっかりと適切なワクチン接種がされていれば、ジステンパーや犬パルボウイルス感染症は3年以上あけた追加接種で予防が可能であることが分かり、アメリカ動物病院協会(AAHA)や全米の獣医大学,多くの一般病院および、世界小動物獣医師会(WASAVA)でもこの接種法が導入されました。

世界小動物獣医師会のガイドラインに沿った新しいワクチン接種法をご紹介します。

新しい接種法とは

  • ・ 基本的に、犬には5種ワクチンを接種します。
  • ・ 初年度(0歳時)には生後8週・12週・16週・24週の4回接種を原則とします。このように幼齢期に頻回にワクチン接種をするのは、子犬が生まれた時に母犬から譲り受けている免疫が各々いつまで役立つか分からないからです。
    初年度は、いつ母親譲りの免疫がなくなってもよいように早くから、そしてワクチンを妨害する母親譲りの免疫は各々の子犬でいつ消えていくか分かりませんので、複数回の接種が勧められています。とくに、以前は1歳齢で行っていた追加接種を24週齢(6カ月齢)に前倒しすることで、より確実な効果が期待できるようになりました。
  • 接種スケジュールの例
    生まれてから:8週齢目 12週齢目 16週齢目 24週齢目(6ヶ月)
    追加接種:4歳 7歳 10歳 13歳(以後は健康状態と必要に応じて主治医と相談しましょう)
  • ・ ただし,レプトスピラの予防が必要な場合には,毎年の接種が必要です。犬の集まる公園や川沿い,山や藪の中,南方へ行く犬では,レプトスピラのワクチンを必要に応じて接種し予防します。レプトスピラの発生時期は夏の終わりからで,ワクチンの予防効果はおよそ6カ月のため,毎年夏頃川沿いや山に行く前にレプトスピラのワクチンを接種すると効果的です。

狂犬病ワクチン

「狂犬病予防法」という法律によって、生後91日以上の犬は年1回狂犬病ワクチンの接種が義務付けられています。かかりつけの動物病院で年1回適切な時期に身体検査を受けてから接種し、証明書を市区町村に提出します。

*登録は、犬の生涯に1回(初期)行うことも法律で定められています。

猫のワクチン

猫の3種混合ワクチンは、効果が高く、免疫が長く続くことが証明されています。

アメリカ猫専門医協会(AAFP)は3年以上間隔をあけた追加接種を推奨しています。アメリカ動物病院協会(AAHA)、世界小動物獣医師会(WSAVA)もそれを支持したガイドラインを発行し、全米の獣医大学病院や多くの一般病院でも、すでにこの接種法が導入されています。

この方法は、副作用が最小限で最大の効果を得る、猫にとって最も良い方法とされています。

  • ・ 犬と同様、初年度は、いつ母猫譲りの免疫がなくなっていてもよいように早くから、そして母親譲りの免疫が長く存在してもワクチンが十分効くように遅くまで、複数回の接種が勧められています。とくに、以前は1歳齢で行っていた追加接種を24週齢(6カ月齢)に接種することで、より確実な効果が期待できることも明確になりました。
  • 接種スケジュールの例
    生まれてから:8週齢目 12週齢目 16週齢目 24週齢目(6ヶ月)
    追加接種:4歳 7歳 10歳 13歳(以後は健康状態と必要に応じて主治医に相談します)

犬も猫もワクチン接種後、時に接種反応が出ることがありますので、接種後30分から1時間は動物病院の待合室で安静にされることをお奨めします。接種した位置の痛みや腫れ、顔面の発赤や痒み、帰宅してからも嘔吐や下痢、食欲や元気の消失等、アレルギー反応などがみられた場合には、動物病院に連絡して相談して下さい。

接種当日は激しい運動やシャンプーは避けて下さい。

profile

柴内裕子先生(獣医師)

赤坂動物病院 名誉院長

日頃より伴侶動物医療に携る一方で、社会活動コンパニオンアニマルパートナーシッププログラム(CAPP)のリーダーとして高齢者や障害者の各種施設や病院、小学校などを動物たちと共に訪問するボランティア活動に幅広く活躍されています。(柴内先生には、東リ「犬家猫館」の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)