
そこで、上手に犬とのアフター・コロナを迎えるために、コロナ禍で私達に起きた生活環境の変化を、前期のA(在宅時間が急に増えた)、中期のB(在宅時間が長くなっている状況)、後期のC(コロナ禍が終息して、在宅時間が減る)の3つの期間に分けて整理してみました。それぞれの期で起きた事を振り返り、これから起きると考えられる事について考えてみましょう。
- ・前期A:
家族と犬がずっと顔を合わせる状況となり、犬の生活リズムが崩れたり、興奮させてしまったりする状況が増えた。
- ・中期B:
家族がいつも居る状況に慣れ、人がいつも側に居るのが当たり前になった。犬が人に甘える機会も時間も増え、要求吠えという「無駄吠え」が増えた。
- ・後期C:
コロナ禍が終息(一段落)して、人は日中の活動を職場や学校へと戻す。家族が急に不在がちになったような状況で、寂しさや不安を覚え、慣れるまでの数週間で、吠えたりモノを壊したりという「分離不安」による問題がおきる。
中期Bでは、過度な甘えや要求の問題、そして、中期Bから後期Cへとの移行時におきる「分離不安」という2つの課題があるわけです。この2つの課題を乗り越えるには、家族が自宅にいる状況でも、人が勉強や家事といった「仕事」を終えるまで、犬は邪魔せず待てるようにするという、「疑似お留守番」ができるようにトレーニングすることが効果的です。家庭でのトレーニングを効率よく行うのは、しつけテクニックではなく、住まいの環境整備です。「疑似お留守番」トレーニングを、犬にも人にも負担なく行うために、リビングなど家族空間とハウスという犬の居場所の、適切な位置関係などを見直し、在宅勤務に対応した状況にしましょう。
→後半に続く
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