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金巻先生のわんだふるな住まいの知識

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第90回 犬を取り巻く音環境の調査(後編)

前回に続き、「犬の生活する部屋にある生活音の実態調査」について、今回は特に私が面白いと思った吠え方の特徴についてお話しましょう。

犬が最も強く、長く吠える場面とは

この調査では、介在動物学研究室のメンバーが、犬が吠えた場合、何に向けられた吠えなのか、吠えのタイプ分けなどを整理しています。今回多かった犬の吠えの種類は、「警戒」や「注意喚起」、そして「要求」「遊び(犬同士)」が多く見られました。犬が吠えた音量(音圧レベル)から見ると、「来客」「帰宅」などに起因したものが90dB以上と高くなっていました。インターフォンへの反応は、特に長く吠える傾向があります。2分以上連続して吠えていると言う状況もあり、警戒の場合は強く吠えて、かつ、長い事も確認できました。先行研究※でも、他の種類の吠えと比較して、自宅に不審者が来た時の警戒が最も吠えの継続時間が長いと報告されていましたが、同様の結果を得られたということです。
外部の音については、電車など日常で慣れてしまう音は、音量(音圧)が大きくても反応しませんでしたが、車のバック音やブレーキ音には、音量(音圧)が小さくとも反応していました。やはり、人の注意を引くための音は、犬にとっても嫌な刺激で吠えてしまいやすいと言うことでしょう。

インターフォンの音に対するトレーニングが重要

犬が吠えやすい音としては、マンションと戸建で共通して、人の「出入り」に関する場所や音であったのですが、戸建てでは外を通る猫や人への反応も多く確認されました。庭先やバルコニーの先の気配が分かるかどうか、という建物構造や条件が、吠えやすさに影響していたと考えられます。そして、特徴的であったのはマンションでのインターフォンへの反応でした。オートロックという建物のシステムが影響し、建物玄関でのオートロック解除のためにインターフォンが鳴ってから玄関に人が入るまで、ずっと吠えていたと言う様子が見られたのです。
マンションのセキュリティによっては、来客がエントランスから玄関に入るまで、3回もインターフォンを鳴らす状況もありえます。インターフォンが鳴る度に逃げる猫も見たことがありますが、犬では長く吠えさせてしまいがちなため、近隣に騒音としてとらえられる可能性があるということになりますね。ですから、こういったセキュリティ構造・システムがある建物に住んでいる場合は、単に犬に静かな居場所を用意してあげるだけでなく、インターフォンに対するトレーニングも合わせて行っておくことが大切であると考えられます。

吸音機能がある素材を活用

マンションと戸建で共通した住まいでの対策は、外部から入ってくる音を軽減し、また、室外へ出す吠えを軽減することです。そのために、外部の気配を感じやすい窓には遮音性の高いカーテンを付けたり、天井や壁材、また床材にも吸音機能がある素材を活用することをお勧めします。

参考文献
Yin S:. A new perspective on barking in dogs (Canis familiaris). Journal of Comparative Psychology116,p-189-193, 2002
4) Pongra´cz P, et al: Human Listeners are able to aclassify dog (Canis familiaris) barks recorded in different situations. Journal of Comparative Psychology,119,p136-144,2005

 

profile
金巻とも子/一級建築士
一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。

犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。
著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。
ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。
H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」

(金巻先生には、東リ「犬家猫館」(R) の製品開発の際にもさまざまなアドバイスをいただいております)
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