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  3. 第2回 「躾のしやすい住環境」をつくる5つのポイント

わんだふるな住まいの知識

ペットと暮らす住まいのポイントをケーススタディでご紹介します。

no.2

犬や猫のしつけ

「躾のしやすい住環境」をつくる5つのポイント

今回は、ペットの躾をサポートする住環境づくりについてお話します。どれもペットだけでなく人間にとっても暮らしやすくなるものばかり。高機能な建材を有効利用するためにも、ぜひ参考にしてください。

レイアウト編

1.居場所を制限する

まず、ペットが自由に歩ける場所の大枠を「パブリックスペース」として設定し、「ハウス」や「サークル」のブースを決めます。その際「パブリックスペース」は、「ハウス」を中心に「サークル」周りを水零れに対応した床にするなど、掃除がしやすくなる工夫をするといいでしょう。また、犬だけで留守番をする時間が長い家庭の場合、「ハウス」のある部屋が大きな「サークル」だと考えてインテリアを選ぶようにしましょう。

2.換気・通風にも配慮する

室内に新鮮な空気を取り込むように心掛けてください。ダニやカビを防ぎ、掃除をしやすいだけでなく、ペットや飼い主のイライラも予防できます。せっかく光触媒や調湿効果をもった建材を採用しても、空気が動いていない状態では充分な効果が期待できません。風の通り道を家具などで塞いでしまっていないか再確認しましょう。

3.掃除のしやすいレイアウトにする

せっかく拭き掃除がしやすい壁紙や床材を使っても、掃除用具が届かない状態では意味がありません。掃除機の取り回しが簡単にできるように家具の配置を考えましょう。

家具・その他編

4.物を無造作に動物の手の届く場所に置かない

「パブリックスペース」では、ペットの届く場所に無造作にモノを置かないこと。もしそのような場所に置いてあれば、それは「触って」、「口にして」と人間が意思表示したことになります。余計なモノがペットの目に入らないように、扉付きの収納を多めにしつらえるといいでしょう。

5.傷の防御するだけでなく、時には思いっきり満足させる

過剰な爪研ぎや、噛む・掘るといった行動は、ペットが退屈してやっている場合もあります。建材で防御するだけでなく、たくさん運動させて退屈させないようにしてあげる配慮も時には必要です。特に猫は、家の中で爪研ぎすると気持ちよい場所(出入り口付近)を作ってあげることが重要で効果的です。

profile

金巻先生(一級建築士)

一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。

犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」

  • 「猫と暮らす住まいのつくり方」

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