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  3. 第3回 「躾のしやすい住環境」をつくるポイント ~その2~

わんだふるな住まいの知識

ペットと暮らす住まいのポイントをケーススタディでご紹介します。

no.3

犬や猫のしつけ

「躾のしやすい住環境」をつくるポイント~その2~

前回に引き続きペットの躾をサポートする住環境づくりについてお話します。今回は、ハウスを中心とした「サークル」まわりで配慮すべきポイントをご紹介します。

ハウス・トイレ編

1.ハウスの位置は安心出来る場所を

「ハウス」=「寝床」は、犬や猫にとって安全で安心な場所である必要があります。第2回で、「パブリックスペース」の中の「サークル」は、掃除のしやすいように配慮する必要があることをお話しましたが、犬にとってはハウスだけでなく、サークル内もプライベートスペースになります(猫にサークルは特に必要ありません)。サークルのスペースは、子犬期だけでなく、老犬期にも重要になりますから、その配置には気を配ってあげましょう。

第2回 レイアウト編より
2.ハウスは屋根付きを

犬猫共に、「ハウス」は眠る場所だけでなく、落ち込んだ時や怖い時にも逃げ込める場所。あまり大きなものではなく、身体が丁度すっぽり入る大きさがベストです。
猫の場合は、高い場所と考えがちですが、あまり高い場所でなく、人の頭の高さ程度を限度に、静かな場所を見つけて設置しましょう。

3.寒暖の激しい場所でないこと

「ハウス」の場所は、一日の寒暖の差の激しい場所や、騒音がある場所、出入り口付近などは避けましょう。特に窓際や玄関付近は要注意です。どうしてもスペースが無くて窓際になる場合、遮光機能があるものや厚地のカーテンを活用しましょう。

4.サークル内はトイレスペースが置ける広さを確保

犬の「散歩」=「トイレタイム」はマナー問題でもありますから、室内でトイレが出来るようにトレーニングしておけば、旅行先などでもトイレで困ることがありません。
子犬のトイレトレーニングが終わっても、老犬介護の時や留守番・来客時にもサークル内でトイレが必要になる場合があります。サークル内にはハウスのほかにトイレが置けるスペースも確保しておきましょう。その際に、トイレがハウスに近すぎるとトイレをなかなか覚えられない子もいます。ある程度の広さの余裕を考慮しましょう。また、犬の場合は猫と違い、囲われた場所は「ハウス」と間違えやすく、トイレと認識しにくいものです。トイレトレーを作成したり選ぶ時には、囲われていないようにしましょう。

番外編

湿気対策 ダニの繁殖ピークは10月、11月

夏場に多いと思われがちなダニですが、日本の場合、ダニの繁殖のピークは実は10月から11月です。この時期の大繁殖を抑えるためには、外気湿度が低い日に、室内の隅々に乾燥した空気を送って湿気を排除しておくことが大切です。湿度は30%以下にすると、パルボや風邪のウイルスが活発になりますから、50~70%を目安にして、下げすぎには注意しましょう。

profile

金巻先生(一級建築士)

一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。

犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」

  • 「猫と暮らす住まいのつくり方」

    ライフスタイルやプランに応じた住まいの実例が豊富!猫にとっての快適ポイントや危険対策がわかる!業者選び、内装材、予算などのお役立ち情報も!

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