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わんだふるな住まいの知識

ペットと暮らす住まいのポイントをケーススタディでご紹介します。

no.17

犬や猫の安全

扉の安全の工夫~その1~

室内で犬や猫と暮らす時、「ペット用ドア」が人気です。
人気のペット用のドアには、扉に小さなくぐり戸をつける「自由に出入させるため」のものと、「入らせない」というゲート状のもの2種類があります。前者を「ペットドア」後者を「ペットゲート」と呼ぶ事が多いですね。
しかし、こういったアイテムだけでなく、「扉」自体の扱いにも気を配りましょう。開き勝手やノブなどの使いやすさはもちろん、安全であることや犬の場合は躾のしやすさという点からも、とても重要なポイントです。

ペットドア
ペットゲート

扉と躾との関わりについて!

「ペットドア」を使い、家の中を自由に歩き回らせてあげる事がストレス軽減のようにも思えますが、実は犬にとってはそうとも言えません。
「躾のしやすい住環境」の中で、「居場所を制限する」というお話をしましたが、「扉」という出入り口がどう躾に関ってくるのか理解するために、何故「居場所の制限」が躾に重要なのか、今回は改めて考えてみましょう。

自由に動き回れる部屋を制限する配慮が必要

犬や猫にとって「自由に歩きまわれる場所」では、知らないもの・気になるものは全て噛んだり触ってみたりして確認する必要が出てきます。人にとってどんなに大切なものであっても、どれも楽しい玩具にもなります。
そして特に、犬にとっては、食事をする場所と寝る場所以外はどこでもトイレと同じです。
“躾”とはルールを覚える事。ですから、トイレはどこですればいいのか、何が触ってはいけないものかなど、家の中のルールを覚えるトレーニングが終わるまでは、サークル内だけでなく、自由に動き回れる部屋を制限する配慮をしてあげた方が、犬にとっては判りやすく、失敗を減らしてあげられるので親切なのです。

シツケのトレーニングは、失敗させない事が上手に早く終わらせるコツです。
ですから、犬の場合は「ペットドア」を取り付ける扉はある程度限定し、さらにロックが出来るようなものだと、時と成長に合わせて使えるので便利です。

profile

金巻先生(一級建築士)

一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。

犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」

  • 「猫と暮らす住まいのつくり方」

    ライフスタイルやプランに応じた住まいの実例が豊富!猫にとっての快適ポイントや危険対策がわかる!業者選び、内装材、予算などのお役立ち情報も!

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