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  3. 第20回 シャンプーをする際のポイント

わんだふるな住まいの知識

ペットと暮らす住まいのポイントをケーススタディでご紹介します。

no.20

犬や猫のお手入れ

シャンプーをする際のポイント

犬や猫にどんなシャンプーをしてあげていますか?
猫は基本的に水に濡れるのが大嫌いなので、長毛種以外は特にシャンプーは必要としませんが、犬の場合には適度なシャンプーが皮膚の衛生を保ち、臭いを室内にこびり付かせない事にもつながります。犬や猫の体に負担がかからない洗い方にもしたいものです。体に優しくてきちんとシャンプーするためには、体質に合ったシャンプー液を選ぶというだけではなく、洗い方にも工夫をしてあげましょう。

洗う時のポイントは・・・

体に優しい洗い方は、皮膚や毛をゴシゴシ擦るのではなく、優しくマッサージするようなシャンプーです。シャンプー液をなじませたお湯に浸かるようにしてシャンプーすると、皮膚の弱い子にも負担が少ないので、シャンプー台やシンクはお湯を溜められるようにできるといいでしょう。
また、熱いお湯も犬や猫は苦手です。シャワーのお湯の温度は24度から30度以下のぬるま湯にする必要があります。
そして、シンクは床が平らでしっかり立てることも大切です。洗髪洗面台を利用する時には、スノコやマットなどで滑り止めをしてあげると、足元が安定するので犬が安心できて良いでしょう。

シャンプーシンクや周囲の環境にも工夫しましょう!

シャンプーをする時には、人は犬の体を押えながらシャワーを使いますね。片手がふさがっていますから、手元で水を出したり止めたりできるように、シャワーヘッドに止水のスイッチがあるものだと便利です。
シャンプーをした後に、犬は体をブルブルっと震わせて水を周囲に飛び散らせてしまいがちです。シンク周囲の壁はタイル仕上げにしておくなど、拭き掃除がしやすい状態にしておきましょう。
排水を流す時には、抜け毛が配水管へ流れないように、ヘアキャッチャーが必要ですが、排水トラップにバスケットがついていると、抜け毛の多い犬種でも安心です。

犬や猫の負担にならないことも大事

シャンプーの後に乾かすためにドライヤーをかける場合、犬や猫は全身に熱風を浴びることになります。人が頭だけにドライヤーをかけるのと違って、だいぶ体に負担がかかります。負担を軽減するためにも、ドライヤーの前にタオルドライも必要です。
長毛種では、毛が絡まないようにブラッシングをしながらドライヤーをかけることになります。両手が使えるように固定式のドライヤーが理想ですし、その他、シャンプー台の周りにはブラシやタオルなどのグッズも置けるように、十分なスペースも設けましょう。

profile

金巻先生(一級建築士)

一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。

犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」

  • 「猫と暮らす住まいのつくり方」

    ライフスタイルやプランに応じた住まいの実例が豊富!猫にとっての快適ポイントや危険対策がわかる!業者選び、内装材、予算などのお役立ち情報も!

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