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  3. 第24回 食卓の位置などの配慮

わんだふるな住まいの知識

ペットと暮らす住まいのポイントをケーススタディでご紹介します。

no.24

犬や猫のしつけ

食卓の位置などの配慮

犬や猫と一緒に食事をするのも楽しいものですが、けじめをしっかりつける事が大切です。 まず、犬の場合の食事は強請られてから食事を与えるのではなく、人のルールとタイミングを優先するようにしましょう。
ここで、注意しておきたいのが、食事に対するけじめです。いつまでも食器を出しっぱなしにしてダラダラ食べさせる事は健康上よくありません。長時間かけて食べているようなら一旦食器を引き揚げてしまいます。猫は休み休み食べる癖があるので比較的時間がかかりますが、犬ならば15分程度待っても食べなければ下げてしまってかまいません。
食事の場所は、出入り口付近や窓の側などの騒がしい場所を避け、食事に集中できる場所にセットしてあげる配慮が必要でしょう。

犬と猫の共存時の注意点

犬は水を食器の外に零してしまいがちで、猫はフードを皿からおろして食べてしまう事もありますから、周辺の床はふき掃除がしやすいものである事も重要です。
また、犬と猫が一緒に暮らしている場合、食事の場所に配慮したい事があります。猫が休み休み食事をしていると、犬がその猫の食べ残しの(ように見える)フードを食べてしまう事があるのです。犬は食いだめする習性があり、食べ物はあればあるだけ食べようとするためと、猫の食事が犬の食事に比べて油分が多めでおいしいから、という理由もあるようです。犬と猫の必要な栄養価は違いますから注意が必要です。こういった事態が起きやすいと、猫が落ち着いて食事を取れないという事にもつながります。
その対策のために、犬には床面に食事スペースを設けてあげ、猫の食事スペースは犬の届かない少し高めの台やカウンターの上に設置してあげるなど、高さや区画で仕切ってあげるといいでしょう。

犬や猫のために食卓はダイニングテーブルに

そして、人の食卓も見直しましょう。食卓が座卓のように低くて、犬や猫に人の御馳走がよく見える状態というのは問題が多そうです。人の美味しそうな食べ物は、犬にも猫にも魅力的です。特に犬には家族の食卓は大変な誘惑です。群れの仲間が食べている同じ物を自分も食べたいと感じるからです。しかし、人の食べ物は彼らの体に良くありませんから、欲しがられても分け与えるわけにはいきません。群れの御馳走を見せながら、我慢させることになってしまいます。
ですから、食卓は座卓のような和式よりダイニングテーブルのような洋式の方が、犬や猫との暮らしにはより望ましいと言えます。

profile

金巻先生(一級建築士)

一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。

犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」

  • 「猫と暮らす住まいのつくり方」

    ライフスタイルやプランに応じた住まいの実例が豊富!猫にとっての快適ポイントや危険対策がわかる!業者選び、内装材、予算などのお役立ち情報も!

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