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  3. 第33回 音がストレスにならないために 窓編

わんだふるな住まいの知識

ペットと暮らす住まいのポイントをケーススタディでご紹介します。

no.33

犬や猫のストレス回避

音がストレスにならないために 窓編

犬や猫がお家の中でもなんとなく落ち着きがない、「吠え癖がある」という困りごとがあるようでしたら、シツケや健康状態だけでなく、お部屋の中にその原因があるかどうかもジックリ見回してみてください。臭いや光など、意外なものがお部屋の中でストレス要因になっている事があるもの。音環境もその大きな要素です。

窓から入ってくる音がストレスに

「我が家」の中は寛ぐ場所。そこへ不作法に入ってくる見えない侵入者がいますが、音もその一つです。不審な音が、驚きや恐怖といったストレスになり、吠えるきっかけになっている場合もあるわけです。こういったストレスを減らすためには、色々な音に慣れていくという学習が必要とされています。しかし、学習するだけでなく、原因そのものをできるだけ減らしてあげるという処置も住まいには必要でしょう。「我が家」ではできるだけゆっくり寛げる環境にしておきたいのは、人も犬猫も同じです。ちょっとした住まい方の配慮で住まいやすさが随分とかわるので、工夫してあげましょう。

カーテンのチョイスもとても大切

まずは開口部です。家の外の音は多くが窓から入って来るもの。窓に防音性を持たせるだけでなく、カーテンのチョイスも大切なのです。素材は軽いものより重めのものにすること。重いモノの方が、音のエネルギーを失わせるには効果があるからです。外から入ってくる音を遮断してくれます。さらに、やわらかく厚みのある素材なら、外からの音だけでなく、「我が家」から出す音を吸収してくれるので、御近所への配慮にもなります。シツケの途中時期や仔犬が来た時、すぐやれて重宝する工夫です。
犬だけでなく、おしゃべりで大声な猫に困っている飼主さんも、意外と結構多いものです。こういった猫の大きな声は高めの音域で、大きな布地のカーテンは吸音に効果的。ダックスフントなどの低くい声で吠えるコの場合には、さらに、ドレープカーテンのドレープ(ヒダ)を多めにしたり、カーテンを二重にするといいでしょう。カーテンで防音空気層状態をつくるわけです。

窓以外の開口部も防音性のあるものを

ただ、窓からだけでなく、外気を取り入れるための吸気レジスターや換気扇、扉などの開口部からの音漏れしますから、全く音を遮断できるわけではありません。こういった開口部も防音性のあるタイプにしておくとよいですが、既存の機器の場合なら、花粉や防塵用のフィルターをする事でも多少の効果があるようです。フィルターを助っ人として検討するなど、小さな配慮にも気を配りましょう。

profile

金巻先生(一級建築士)

一級建築士・博士(工学)・家庭動物住環境研究家一級建築士事務所 かねまき・こくぼ空間工房 主宰。

犬や猫といった家庭動物(ペット)との暮らしをテーマにした建築設計と、環境コーディネーターとして活動。適正飼養と環境整備に向けた学術研究も進めている。著書に『犬・猫の気持ちで住まいの工夫』(彰国社)、『ねこと暮らす家づくり』(ワニブックス)、など。ペット防災のNPO法人ANICE理事。東京都動物愛護推進員。H25年度日本建築仕上学会学会賞(技術賞)「ペット共棲住空間用の建材に関する研究と技術開発」

  • 「猫と暮らす住まいのつくり方」

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